いづこまで


04740
ジーパンにバイクのをとめ破魔矢売る社務所にゐたり姿を変へて
ジーパンニ バイクノヲトメ ハマヤウル シャムショニヰタリ スガタヲカヘテ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.67
【初出】 『埼玉新聞』 1993.1 いづこまで (1)


04741
遠き世のそのままならむ鰐口はするどく鳴るといふこともなし
トオキヨノ ソノママナラム ワニグチハ スルドクナルト イフコトモナシ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.68
【初出】 『埼玉新聞』 1993.1 いづこまで (2)


04742
幼子は歩幅の合はぬ飛び石をはねて渡りて池まで届く
オサナゴハ ホハバノアハヌ トビイシヲ ハネテワタリテ イケマデトドク

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.68
【初出】 『埼玉新聞』 1993.1 いづこまで (3)


04743
水底の緋鯉の一つつと動き水にかすかに輪が生まれたり
ミナソコノ ヒゴイノヒトツ ツトウゴキ ミズニカスカニ ワガウマレタリ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.69
【初出】 『埼玉新聞』 1993.1 いづこまで (4)


04744
タンバリン網棚にのせていづこまで行くや異国の踊り子たちは
タンバリン アミダナニノセテ イヅコマデ ユクヤイコクノ オドリコタチハ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.69
【初出】 『埼玉新聞』 1993.1 いづこまで (5)