紅薔薇匂ふ


04864
手のくぼに朝のローションすきとほり優しくあらむ今日会ふ人に
テノクボニ アサノローション スキトホリ ヤサシクアラム キョウアフヒトニ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.138
【初出】 『短歌新聞』 1994.1 紅薔薇匂ふ (1)


04865
つれだちてエスカレーターに降り行けば鏡ひらめく何の売り場か
ツレダチテ エスカレーターニ オリユケバ カガミヒラメク ナンノウリバカ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.139
【初出】 『短歌新聞』 1994.1 紅薔薇匂ふ (2)


04866
有耶無耶にしておくこともよしなきに空路届きし紅薔薇匂ふ
ウヤムヤニ シテオクコトモ ヨシナキニ クウロトドキシ ベニバラニオフ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.139
【初出】 『短歌新聞』 1994.1 紅薔薇匂ふ (3)


04867
また元の空き地に戻り風が舞ふひと日のみなるバザーは過ぎて
マタモトノ アキチニモドリ カゼガマフ ヒトヒノミナル バザーハスギテ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.140
【初出】 『短歌新聞』 1994.1 紅薔薇匂ふ (4)


04868
サーフィンの板載せて二人発ち行けば遠く相模の海が湧く見ゆ
サーフィンノ イタノセテフタリ タチユケバ トオクサガミノ ウミガワクミユ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.140
【初出】 『短歌新聞』 1994.1 紅薔薇匂ふ (5)