光たばねて


04869
明日ありと思はれずゐるわが前に光たばねて噴水あがる
アスアリト オモハレズヰル ワガマエニ ヒカリタバネテ フンスイアガル

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.141
【初出】 『短歌研究』 1994.1 光たばねて (1)


04870
住み古りし町なれど大きマンションの建ちていきなり白し目の前
スミフリシ マチナレドオオキ マンションノ タチテイキナリ シロシメノマエ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.142
【初出】 『短歌研究』 1994.1 光たばねて (2)


04871
あらくれにまじりて吠えてゐしといふ三年を経て会ひたる犬は
アラクレニ マジリテホエテ ヰシトイフ サンネンヲヘテ アヒタルイヌハ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.142
【初出】 『短歌研究』 1994.1 光たばねて (3)


04872
書く前に消したる文字のある如くいよいよ苦し余白を読めば
カクマエニ ケシタルモジノ アルゴトク イヨイヨニガシ ヨハクヲヨメバ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.143
【初出】 『短歌研究』 1994.1 光たばねて (4)


04873
かなはざる願ひのひとついつの日か嵐が丘のヒース見に行く
カナハザル ネガヒノヒトツ イツノヒカ アラシガオカノ ヒースミニユク

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.143
【初出】 『短歌研究』 1994.1 光たばねて (5)