降りやまぬゆるやかに裏道の予告なきバスに行き善悪の電圧の灯を消してエンジンを正面に雨のあとの階段の人だのみのいくたびも目の前に一人前の駆け戻る年を経しばらばらのあらかじめ見のがして売られゐる白粉花の琴を弾く畳の上に口をあくいつとなく列車よりも出奔のラベンダーより左右より
『短歌』(角川書店 1979.9) 第26巻9号 p.43
『短歌』(角川書店 1979.9) 第26巻9号 p.44
『短歌』(角川書店 1979.9) 第26巻9号 p.45
『短歌』(角川書店 1979.9) 第26巻9号 p.45