春の靴


08937
いつせいに歩き出しさうに藤いろもまじへて春の靴が飾らる
イツセイニ アルキダシサウニ フジイロモ マジヘテハルノ クツガカザラル

『短歌新聞』(短歌新聞社 1991.1.10) p.12


08938
ころびたる幼子はすぐ起きあがり追ひゆく若き父母を呼びつつ
コロビタル オサナゴハスグ オキアガリ オヒユクワカキチチ ハハヲヨビツツ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1991.1.10) p.12


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吉備路よりはろばろと来しマスカットうすき緑のおぼろをまとふ
キビジヨリ ハロバロトコシ マスカット ウスキミドリノ オボロヲマトフ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1991.1.10) p.12


08940
新しき女性キャスター胸元にブローチのごとくマイクを点す゛
アタラシキ ジョセイキャスター ムナモトニ ブローチノゴトク マイクヲテンズ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1991.1.10) p.12


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大小の干支のひつじはいつよりかつがひの如くずらして置かる
ダイショウノ エトノヒツジハ イツヨリカ ツガヒノゴトク ズラシテオカル

『短歌新聞』(短歌新聞社 1991.1.10) p.12