煉瓦にひびく


08982
戻り得ぬ予感の如き不意にして鍵さす音の煉瓦にひびく
モドリエヌ ヨカンノゴトキ フイニシテ カギサスオトノ レンガニヒビク

『短歌公論』(短歌公論社 1985.1.1) p.


08983
思はざる枷のごとしよ地の上をホース這ひゐてのたうつ見れば
オモハザル カセノゴトシヨ チノウエヲ ホースハヒヰテ ノタウツミレバ

『短歌公論』(短歌公論社 1985.1.1) p.


08984
シンナーの匂ひと思ひ振り返り赤くなだるる夕雲を見つ
シンナーノ ニオヒトオモヒ フリカエリ アカクナダタル ユウグモヲミツ

『短歌公論』(短歌公論社 1985.1.1) p.