目次
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全短歌(歌集等)
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短歌四季
山々青き
高天原も
百姓は
しろたへの
幼子は
いつよりか
匂ひ袋は
08994
高天原も卑弥呼の国もありつらむ取り巻く山のいづこも青き
タカマガハラモ ヒミコノクニモ アリツラム トリマクヤマノ イヅコモアオキ
『短歌四季』(東京四季出版 1989.12) p.
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百姓はやめられじとぞ眠りゐし土も起こされて香を放つとぞ
ヒャクショウハ ヤメラレジトゾ ネムリヰシ ツチモオコサレテ カヲハナツトゾ
『短歌四季』(東京四季出版 1989.12) p.
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しろたへの沙羅の木の花はなびらの合わせ目あたり暮れそめてをり
シロタヘノ サラノキノハナ ハナビラノ アワセメアタリ クレソメテヲリ
『短歌四季』(東京四季出版 1989.12) p.
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幼子は母へ駆けゆきげんまんをしたることなど忘れてあらむ
オサナゴハ ハハヘカケユキ ゲンマンヲ シタルコトナド ワスレテアラム
『短歌四季』(東京四季出版 1989.12) p.
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いつよりか名簿に消えてゐる名前古風なその名を恥ぢていましき
イツヨリカ メイボニキエテ ヰルナマエ コフウナソノナヲ ハヂテイマシキ
『短歌四季』(東京四季出版 1989.12) p.
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匂ひ袋はかそかに匂ひつきつめて五欲の何を残せるわれか
ニオヒブクロハ カソカニニオヒ ツキツメテ ゴヨクノナニヲ ノコセルワレカ
『短歌四季』(東京四季出版 1989.12) p.