騎馬民族


09000
三日目の菊人形の隊列に肩の崩れしもののふひとり
ミツカメノ キクニンギョウノ タイレツニ カタノクズレシ モノノフヒトリ

『短歌四季』(東京四季出版 1990.3.1) p.7


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北国と南の国より遠く来て添ひたる若き二人のありき
キタグニト ミナミノクニヨリ トオクキテ ソヒタルワカキ フタリノアリキ

『短歌四季』(東京四季出版 1990.3.1) p.7


09002
若ければ蹄の音も聞こえゐき騎馬民族の説ありしころ
ワカケレバ ヒヅメノオトモ キコエヰキ キバミンゾクノ セツアリシコロ

『短歌四季』(東京四季出版 1990.3.1) p.7


09003
みづからの根気を試すほかなくて土器片をつなぎ続けし日あり
ミヅカラノ コンキヲタメス ホカナクテ ドキヘンヲツナギ ツヅケシヒアリ

『短歌四季』(東京四季出版 1990.3.1) p.7


09004
年代論果てしなかりき両耳を立てたる埴の壼をめぐりて
ネンダイロン ハテシナカリキ リョウミミヲ タテタルハニノ ツボヲメグリテ

『短歌四季』(東京四季出版 1990.3.1) p.7


09005
花束が胸に重しと目のさめて何を祝はれゐしとも知れず
ハナタバガ ムネニオモシト メノサメテ ナニヲイワハレ ヰシトモシレズ

『短歌四季』(東京四季出版 1990.3.1) p.7