目次
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全短歌(歌集等)
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朝日新聞 埼玉版
年頭吟詠
鳥籠を
パリの地図
いつの間に
訪ね来て
帰る日の
一粒の
09154
鳥籠を日あたる枝につるしおきほどよく賀状のたばがおもたし
トリカゴヲ ヒアタルエダニ ツルシオキ ホドヨクガジョウノ タバガオモタシ
『朝日新聞 埼玉版』(朝日新聞社 1963.1.1) p.
09155
パリの地図封じて遠く来し手紙新しき年の励みとならん
パリノチズ フウジテトオク コシテガミ アタラシキトシノ ハゲミトナラン
『朝日新聞 埼玉版』(朝日新聞社 1963.1.1) p.
09156
いつの間に東京を去りし君ならむ風の中に麦踏む日々と告げきぬ
イツノマニ トウキョウヲサリシ キミナラム カゼノナカニムギフム ヒビトツゲキヌ
『朝日新聞 埼玉版』(朝日新聞社 1964.1.1) p.
09157
訪ね来て子らと遊ばぬかといふ便り分校は雪にうずもれて居む
タズネキテ コラトアソバヌカト イフタヨリ ブンコウハユキニ ウズモレテイム
『朝日新聞 埼玉版』(朝日新聞社 1964.1.1) p.
09158
帰る日のことには触れず海越えて遠くカジノの夜を告げ来る
カエルヒノ コトニハフレズ ウミコエテ トオクカジノノ ヨルヲツゲクル
『朝日新聞 埼玉版』(朝日新聞社 1965.1.1) p.
09159
一粒の火種を未だ持つわれと夜もすがらなる風を聴き居し
ヒトツブノ ヒダネヲイマダ モツワレト ヨモスガラナル カゼヲキキイシ
『朝日新聞 埼玉版』(朝日新聞社 1965.1.1) p.