目次
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全短歌(歌集等)
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朝日新聞
夜の向日葵
夢に見て
呼ばれたる
月光を
おぼろ夜を
帰り来て
09160
夢に見てたれとも知れず遠くより招きてゐたる白の手袋
ユメニミテ タレトモシレズ トオクヨリ マネキテヰタル シロノテブクロ
『朝日新聞』(朝日新聞社 1987.7.24) p.7
09161
呼ばれたる思ひのありてふり向けば花冠光らす夜の向日葵
ヨバレタル オモヒノアリテ フリムケバ カカンヒカラス ヨルノヒマワリ
『朝日新聞』(朝日新聞社 1987.7.24) p.7
09162
月光をはじく生け垣見て過ぎて針葉樹林は黒くしづもる
ゲッコウヲ ハジクイケガキ ミテスギテ シンヨウジュリンハ クロクシヅモル
『朝日新聞』(朝日新聞社 1987.7.24) p.7
09163
おぼろ夜を戻りてくれば側溝にカルキの匂ふ坂ありにけり
オボロヨヲ モドリテクレバ ソッコウニ カルキノニオフ サカアリニケリ
『朝日新聞』(朝日新聞社 1987.7.24) p.7
09164
帰り来てしづくのごとく光りゐしゼムクリップを畳に拾ふ
カエリキテ シヅクノゴトク ヒカリヰシ ゼムクリップヲ タタミニヒロフ
『朝日新聞』(朝日新聞社 1987.7.24) p.7