目次
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全短歌(歌集等)
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読売新聞 夕刊
秋の会話
竜胆の
少女二人
不随意筋
疑はぬ
夜の更けの
09165
竜胆の裾より花の色錆びて今年の秋の彼岸も終る
リンドウノ スソヨリハナノ イロサビテ コトシノアキノ ヒガンモオワル
『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.
09166
少女二人声を使はぬ会話してのぼりゆきたり落ち葉の坂を
ショウジョフタリ コエヲツカハヌ カイワシテ ノボリユキタリ オチバノサカヲ
『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.
09167
不随意筋ばかり身に持つごとき日に時間限られてなす仕事あり
フズイイキン バカリミニモツ ゴトキヒニ ジカンカギラレテ ナスシゴトアリ
『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.
09168
疑はぬことの優しさ毛糸の玉は芯まで青と決めて編みつつ
ウタガハヌ コトノヤサシサ ケイトノタマハ シンマデアオト キメテアミツツ
『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.
09169
夜の更けの音はするどし鍵をかけぬ一夜とてなく幾年過ぎむ
ヨノフケノ オトハスルドシ カギヲカケヌ ヒトヨトテナク イクネンスギム
『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.