目次
/
全短歌(歌集等)
/
毎日新聞
路上にて
人住まぬ
回しつつ
自転車の
風船を
夕雲を
09179
人住まぬ家の庭にも咲きそめて都忘れは雑草の丈
ヒトスマヌ イエノニワニモ サキソメテ ミヤコワスレハ ザッソウノタケ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.
09180
回しつつ歩む日傘のレースよりこぼれてやまず木々のみどりは
マワシツツ アユムヒガサノ レースヨリ コボレテヤマズ キギノミドリハ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.
09181
自転車の輪を光らせて過ぎゆけり男二人のいづこまで行く
ジテンシャノ ワヲヒカラセテ スギユケリ オトコフタリノ イヅコマデユク
『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.
09182
風船を一つづつ持つやさしさに昼過ぎて賑はふデパートの前
フウセンヲ ヒトツヅツモツ ヤサシサニ ヒルスギテニギハフ デパートノマエ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.
09183
夕雲を仰ぎてをれば胸にはぜし火花のごとき思ひも過ぎぬ
ユウグモヲ アオギテヲレバ ムネニハゼシ ヒバナノゴトキ オモヒモスギヌ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.