鈴の音


09234
石ばかり出すをみな子のじゃんけんのこぶし小さくふくらみてをり
グーバカリ ダスヲミナコノ ジャンケンノ コブシチイサク フクラミテヲリ

『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1989.1.1) p.


09235
ぽっくりの鈴にはぢらひ歩みたる童女を今は知る人もなし
ポックリノ スズニハヂラヒ アユミタル ドウジョヲイマハ シルヒトモナシ

『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1989.1.1) p.


09236
はればれと太鼓鳴らしてブレーメンの音楽隊はいづち行きけむ
ハレバレト タイコナラシテ ブレーメンノ オンガクタイハ イヅチユキケム

『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1989.1.1) p.


09237
いづこにも富士はありともふるさとに裾野ひろぐる南部片富士
イヅコニモ フジハアリトモ フルサトノ スソノヒログル ナンブカタフジ

『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1989.1.1) p.


09238
それとなく雪にうもれて春を待つ木の実を思ひをれば眠りぬ
ソレトナク ユキニウモレテ ハルヲマツ コノミヲオモヒ ヲレバネムリヌ

『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1989.1.1) p.