目次
/
全短歌(歌集等)
/
埼玉新聞
草の穂
歩みつつ
窮極に
風あれば
おもだかの
わが窓に
09638
歩みつつ振り返る視野昏れてゐて海藻のやうに枯れ木がゆらぐ
アユミツツ フリカエルシヤ クレテヰテ カイソウノヤウニ カレキガユラグ
『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1957.1.1) p.
09639
窮極にたどりつきたる思ひして冷たき岩にてのひらを当つ
キュウキョクニ タドリツキタル オモヒシテ ツメタキイワニ テノヒラヲアツ
『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1957.1.1) p.
09640
風あれば穂草吹かれてゆるるのみ疑ひを解かむなどと思ふな
カゼアレバ ホクサフカレテ ユルルノミ ウタガヒヲトカム ナドトオモフナ
『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1957.1.1) p.
09641
おもだかの花の水漬くと思へるに溝またぎゆきて振り返らざる
オモダカノ ハナノミヅクト オモヘルニ ミゾマタギユキテ フリカエラザル
『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1957.1.1) p.
09642
わが窓に遠く雌松の大樹あり剥離は日々にひそやかにして
ワガマドニ トオクメマツノ タイジュアリ ハクリハヒビニ ヒソヤカニシテ
『埼玉新聞』(埼玉新聞社 1957.1.1) p.