目次
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全短歌(歌集等)
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毎日新聞
ぬるき涙
同じバスに
帰らざる
紫を
怺へむと
09647
同じバスに乗りあふのみの日々過ぎて今朝は静かに霧降る広場
オナジバスニ ノリアフノミノ ヒビスギテ ケサハシズカニ キリフルヒロバ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1971.10.30) p.11
09648
帰らざる幾月ドアの合鍵の一つを今も君は持ちゐるらむか
カエラザル イクツキドアノ アイカギノ ヒトツヲイマモキミハ モチヰルラムカ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1971.10.30) p.11
09649
紫をわが色となし身にまとふ落ち葉降る日の逢ひをたのみて
ムラサキヲ ワガイロトナシ ミニマトフ オチバフルヒノ アヒヲタノミテ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1971.10.30) p.11
09650
怺へむと決めて閉ぢたるまなじりにぬるき涙のたまりてゆけり
コラヘムト キメテトヂタル マナジリニ ヌルキナミダノ タマリテユケリ
『毎日新聞』(毎日新聞社 1971.10.30) p.11