星座


10047
かんむり座の星の連なりかそかにて夜空は淡く霧ふふみつゝ
カンムリザノ ホシノツラナリ カソカニテ ヨゾラハアワク キリフフミツツ

『歌と随筆』(蒼明社 1946.9) 第1巻8号 p.12


10048
相ひ觸れて鳴れる木の葉の寂しさや獨りゐる夜を幾日か堪へし
アヒフレテ ナレルコノハノ サビシサヤ ヒトリヰルヨヲ イクヒカタヘシ

『歌と随筆』(蒼明社 1946.9) 第1巻8号 p.12


10049
ある宵は崩れも果てんと思ひ沈めど呆れ人のごと睡り續けつ
アルヨイハ クズレモハテント オモヒシズメド ホレビトノゴト ネムリツヅケツ

『歌と随筆』(蒼明社 1946.9) 第1巻8号 p.12


10050
星の座も掟きびしく相ひ思ひ別れて堪ふる世ははかなかり
ホシノザモ オキテキビシク アヒオモヒ ワカレテタフル ヨハハカナカリ

『歌と随筆』(蒼明社 1946.9) 第1巻8号 p.12


10051
きららめく星座夜毎に仰ぎ見て地上の嘆き果つる日のありや
キララメク セイザヨゴトニ アオギミテ チジョウノナゲキ ハツルヒノアリヤ

『歌と随筆』(蒼明社 1946.9) 第1巻8号 p.12


10052
あくがれて太古の民も仰ぎたる星座無限の夢またたかす
アクガレテ タイコノタミモ アオギタル セイザムゲンノ ユメマタタカス

『歌と随筆』(蒼明社 1946.9) 第1巻8号 p.12