目次
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全短歌(歌集等)
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朱扇
川越紀行
出張要務
古へは
穂すすきに
武藏野の
圖書館を
10239
出張要務果たしし心安らぎよ午後の人通りに吾も入りゆく
シュッチョウヨウム ハタシシココロ ヤスラギヨ ゴゴノヒトドオリニ ワレモイリユク
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10240
古へは鹿も棲みしとふ丘に登り見はるかす野邊狭霧ただよふ
イニシヘハ シカモスミシトフ オカニノボリ ミハルカスノベ サギリタダヨフ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10241
穂すすきに埋もれし古き水車小屋人影もなくめぐりてゐたり
ホススキニ ウモレシフルキ スイシャゴヤ ヒトカゲモナク メグリテヰタリ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10242
武藏野の名殘りと思ふ草深く入間路かけて馬車かよふなり
ムサシノノ ナゴリトオモフ クサフカク イルマジカケテ バシャカヨフナリ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10243
圖書館を出でゝ日暮れの雨に遭ふ鋪裝道路に散りしく落葉
トショカンヲ イデテヒグレノ アメニアフ ホソウドウロニ チリシクオチバ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4