目次
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全短歌(歌集等)
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朱扇
身邊抄
玉子一つ
本あまた
生活の
賣名的な
容れられぬ
心より
10244
玉子一つ孔あけて吸ふしぐさにもしみじみ長き君の病ひよ
タマゴヒトツ アナアケテスフ シグサニモ シミジミナガキ キミノヤマヒヨ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10245
本あまた枕べに積みて臥す君が注射せし痕の痛みを告ぐる
ホンアマタ マクラベニツミテ フスキミガ チュウシャセシアトノ イタミヲツグル
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10246
生活のために求めし職さへもいのち支ふると思ふ時あり
セイカツノ タメニモトメシ ショクサヘモ イノチササフルト オモフトキアリ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10247
賣名的なそぶりを秘かに懀しめど彼も子多く貧しかるべし
バイメイテキナ ソブリヲヒソカニ ニクシメド カレモコオオク マズシカルベシ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10248
容れられぬ主張收めて歸り來ぬ保守派と吾もみなさるるべし
イレラレヌ シュチョウオサメテ カエリキヌ ホシュハトワレモ ミナサルルベシ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4
10249
心より奉ずる主義を持たぬ身が限りなく不安になる時のあり
ココロヨリ ホウズルシュギヲ モタヌミガ カギリナクフアンニ ナルトキノアリ
『朱扇』(朱扇社 1951.1) 第3巻1号 p.4