冬日抄


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肩揉みてほしと君言ふ書きかけの原稿を音たてて破りし後に
カタモミテ ホシトキミイフ カキカケノ ゲンコウヲオトタテテ ヤブリシアトニ

『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5


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病む母を訪はむ願ひもきりのなき繕ひものに一日暮れたり
ヤムハハヲ トハムネガヒモ キリノナキ ツクロヒモノニ ヒトヒクレタリ

『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5


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校正の赤鉛筆けづりつつ又母の病ひのことを思ひてゐたり
コウセイノ アカエンピツケヅリツツ マタハハノ ヤマヒノコトヲ オモヒテヰタリ

『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5


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安き米買ひおきてとりにゆく我を待ちいますとふ母を思へり
ヤスキコメ カヒオキテトリニ ユクワレヲ マチイマストフ ハハヲオモヘリ

『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5