目次
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全短歌(歌集等)
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朱扇
信濃紀行
淺間颪に
やみがたき
林檎樹林の
胸深く
如何なる家の
淺き瀬の
畑中は
10478
淺間颪に吹きさらされむ日も近く防風林めぐらす家々はあり
アサマオロシニ フキサラサレム ヒモチカク ボウフウリンメグラス イエイエハアリ
『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5
10479
やみがたき思慕に訪ひ來し日も遠し山なみ蒼き君がふるさと
ヤミガタキ シボニトヒコシ ヒモトオシ ヤマナミアオキ キミガフルサト
『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5
10480
林檎樹林の間の小道もとほりて遂げがたかりし戀の日を追ふ
リンゴジュリンノ アワヒノコミチ モトホリテ トゲガタカリシ コイノヒヲオフ
『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5
10481
胸深く古き牧歌の鳴るごとし暮れゆく原に尾花そよげり
ムネフカク フルキボッカノ ナルゴトシ クレユクハラニ オバナソヨゲリ
『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5
10482
如何なる家の建ちゆくならむ道の邊の地鎮めの式に人等集へる
イカナルイエノ タチユクナラム ミチノベノ チシズメノシキニ ヒトラツドヘル
『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5
10483
淺き瀬のさざなみ光る千曲川堤の道を人はゆきかふ
アサキセノ サザナミヒカル チクマガワ ツツミノミチヲ ヒトハユキカフ
『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5
10484
畑中は籾殻を燒くうすけむり淺間嶺もいつか暮れゆきにけり
ハタナカハ モミガラヲヤク ウスケムリ アサマネモイツカ クレユキニケリ
『朱扇』(朱扇社 1953.1) 第5巻1号 p.5