目次
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全短歌(歌集等)
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ぼなみ
仔犬片々
日のくれに
眠りゐる
わきまへの
とめどなく
いづこまで
10499
日のくれに帰れる犬の身顫ひて遠き沙漠の砂撒き散らす
ヒノクレニ カエレルイヌノ ミブルヒテ トオキサバクノ スナマキチラス
『ぼなみ』(埼玉文化短信社 1970.1.25) 通巻16号 p.6
10500
眠りゐる仔犬の耳のふとうごきやがて隣りのドアのあく音
ネムリヰル コイヌノミミノ フトウゴキ ヤガテトナリノ ドアノアクオト
『ぼなみ』(埼玉文化短信社 1970.1.25) 通巻16号 p.6
10501
わきまへのなき犬ながら限りなくまろびて遊ぶ注射のあとを
ワキマヘノ ナキイヌナガラ カギリナク マロビテアソブ チュウシャノアトヲ
『ぼなみ』(埼玉文化短信社 1970.1.25) 通巻16号 p.6
10502
とめどなく溢るる涙わが膝にまつはる犬は耳やはらかし
トメドナク アフルルナミダ ワガヒザニ マツハルイヌハ ミミヤハラカシ
『ぼなみ』(埼玉文化短信社 1970.1.25) 通巻16号 p.6
10503
いづこまで行きしや月の夜の更けをつゆけき犬となりて戻り来
イヅコマデ ユキシヤツキノ ヨノフケヲ ツユケキイヌト ナリテモドリク
『ぼなみ』(埼玉文化短信社 1970.1.25) 通巻16号 p.6