目次
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全短歌(歌集等)
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VAN
やみがたく
選ばれて
自画像も
サボテンの
よろこびは
くらがりに
10514
選ばれて折れたる枝と思ふまで路上に落ちて雪煙り上ぐ
エラバレテ オレタルエダト オモフマデ ロジョウニオチテ ユキケムリアグ
『VAN』(VAN社 1977) 通巻3号 p.1
10515
自画像も未完のままに遺されて二重まぶたの目ばかり光る
ジガゾウモ ミカンノママニ ノコサレテ フタエマブタノ メバカリヒカル
『VAN』(VAN社 1977) 通巻3号 p.1
10516
サボテンの鉢を溢れてやみがたくこぼるるものの砂のみならず
サボテンノ ハチヲアフレテ ヤミガタク コボルルモノノ スナノミナラズ
『VAN』(VAN社 1977) 通巻3号 p.1
10517
よろこびはかくかそかにて水を打ちよみがへりくるパセリの緑
ヨロコビハ カクカソカニテ ミズヲウチ ヨミガヘリクル パセリノミドリ
『VAN』(VAN社 1977) 通巻3号 p.1
10518
くらがりに麻か何かを綯ひゐたりめざめてほめくてのひら二枚
クラガリニ アサカナニカヲ ナヒヰタリ メザメテホメク テノヒラニマイ
『VAN』(VAN社 1977) 通巻3号 p.1