目次
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全短歌(歌集等)
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やまと
無題
うとまれて
はまなすの
ひなげしの
落莫の
そこはかと
10611
うとまれて虚無に翳れる白き手も夕べはあはれ紅をはくかも
ウトマレテ キョムニカゲレル シロキテモ ユウベハアハレ ベニヲハクカモ
『やまと』( 1944.8) p.14
10612
はまなすの花も吹かるゝ潮風にゆれやすかるはこゝろなりけり
ハマナスノ ハナモフカルル シオカゼニ ユレヤスカルハ ココロナリケリ
『やまと』( 1944.11) p.9
10613
ひなげしの花のほぐれて落つるさま見つゝ思ひに堪へてわがをり
ヒナゲシノ ハナノホグレテ オツルサマ ミツツオモヒニ タヘテワガヲリ
『やまと』( 1944.11) p.9
10614
落莫のわがゐまはりや花ざくろ濃きくれなゐもなぐさまなくに
ラクバクノ ワガヰマハリヤ ハナザクロ コキクレナヰモ ナグサマナクニ
『やまと』( 1944.11) p.9
10615
そこはかとこゝろのまはりかたづけて靜かなる日や合歓の花散る
ソコハカト ココロノマハリ カタヅケテ シズカナルヒヤ ネムノハナチル
『やまと』( 1944.11) p.9