碑陰文

      大西民子略歴
 大正十三年(一九二四年)五月八日盛岡市生まれ 昭和十九年九月奈良女高師文科第一部卒業 この間前川佐美雄の指導を受ける 二十四年二月大宮市に移り住む この年から木俣修に師事 二十八年五月「形成」創刊に参加終刊まで活躍を続けた 「季冬日々」で短歌研究賞受賞 歌集に『まぼろしの椅子』 『不文の掟』(日本歌人クラブ推薦歌集) 『風水』(迢空賞受賞) 『風の曼陀羅』(詩歌文学館賞受賞)など十冊の歌集がある 大宮に住み日常の生活を歌に詠み続け歌人として大成した 現代歌人協会理事 埼玉県歌人会副会長などを歴任 多くの新聞や雑誌の選者を務めた 五十八年十一月埼玉文化賞受賞(芸術部門) 平成四年十一月短歌の業績が認められ紫綬褒章受章 五年十一月大宮市文化章受賞 十二月「波濤」発行人となり創刊 翌六年(一九九四年)一月五日大宮市堀の内町の自宅にて急逝 享年六十九歳 本名菅野民子
  平成十二年(二〇〇〇年)十一月三日
     大宮市制施行六十周年記念の日にしるす
 
  碑歌は代表歌
   かたはらに置くまぼろしの椅子ひとつ
          あくがれて待つ夜もなし今は
撰文・寄付者  原山喜亥