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第一編 人物誌
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第三章 爛熟期(大阪陣より明治維新迄)
(二三三)林 閬苑
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林閬苑
名は新、字は日新、通稱は秋藏、畫を福原五岳に學んだ。【堺に明人の畫を摹寫す】又夙に明人の畫法を慕ひ、學ぶこと多年、適々堺の豪家某氏に多く明畫を藏するを聞き、屢々往いて之を臨摹し、遂に其風趣を得た。故に美人を寫すや、筆法纖勁、賦色亦鮮明、九英に酷似するものを作つた。又水墨の人物の如きは、專ら剛勁を尚び、筆致は張平山に迫るものがあつた。世人其前途を囑目したが、年齒未だ四十に滿たずして歿した。(畫乘要略卷二)