鮮新世(五〇〇万~一八〇万年前)になると、それまで海底だった札幌の山地の大部分は陸化して、地形的には幼年期のなだらかな起伏をもった丘陵地帯となるが、現在の市街地を含めた山地の縁辺部は海面下であった。その海ではグリーンタフ変動の末期をつげる火山活動がはじまる。それはハイアロクラスタイトやその他の火砕物の噴出によって特徴づけられるものである。そして、その海底火山の活動は東側には拡大せず、西側の陸地縁辺の浅海域に限られていたのである。
こうした鮮新世の海底の活動は、時を経るにしたがい陸上にも及んできた。新しい山々を造り、山地の地形を修飾した火山活動が鮮新世末期から第四紀の初期(約一八〇万年前、前後)にわたって起こったのである。われわれのなじみある山々はこの時期に形成されたものなのである。