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◇第二号ピット

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 長径九七センチメートル、短径八二センチメートル、深さ一二センチメートルの楕円形プランを呈し、覆土中より貝殻文土器が出土した。この二個のピットは掘り込み面を大きく削りとられており本来の大きさを示す物ではないが、土壙墓としての条件は逸脱していないと考えられる。
 縄文時代前期の墓は、札幌市内では発見されていない。しかし、江別市、千歳市においては「静内中野式土器」「綱文式土器(つなもんしきどき)」の径一・五メートル程の土壙墓が数個発見されている。いずれも、壙底面に土器、石器が副葬されており、ベンガラが散布されていた例も発見されている。縄文時代早期の葬制を、引き継いでいるものと考えられる。