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立地と配列

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 立地は、集落や墓地などと同一の台地上の平坦面から重複して検出されることもままみられるが、それらの台地の縁辺や斜面、集落や墓地などが分布する台地から少し離れた続きの台地上や小規模な沢の底部などに分布しているものも多い。配列は、等高線に沿っている場合と等高線と交叉する配列を示す場合が多く、また今村啓爾によれば、(一)けもの道に沿って単独または少数作られる場合、(二)けもの道とはあまり関係なく動物の集まる場所に一定間隔で多数並列して作られる場合、(三)密接並列させて作られる場合などがある。(一)の例は、湧水点を囲むように点々と作られているものなどが相当し、(二)の一定間隔で並列している例としては、札幌市S一五三遺跡があり、ひとつの列は溝形(Ⅰ)だけ、または楕円形(Ⅱ)だけからなっている。これらは民族誌の事例からみて、陥し穴と陥し穴の間に垣(かきね)を作り、動物を巻狩式にそこへ追い込んで捕獲したものとみられる。なお、同一河川沿いの台地上にあるS二六九、二六七・二六八、二六五、二六二・二六三遺跡などもこのタイプで、札幌市S二六二・二六三遺跡では、同形同大の陥し穴が二個ずつ対になって作られている。また、T一五一遺跡では、壙底部での長軸が一メートル前後、短軸三五センチ前後、確認面からの深さ五〇センチ前後の小型の例(図13-4)が、縄文中期と晩期の遺物が出土した地域を取り囲むようにして、九~一二メートルのほぼ等間隔で一〇個みつかっている。(三)の密接並列する例は札幌市内では類例はない。