晩期の市内の遺跡数は、後期より若干増加する。釧路市内およびその周辺部でも、やはり同様な傾向を示している。本州の例を見ると、関東・中部地方では相変わらず減少を続けるが、東北地方と西日本では増加の傾向を示している。特に東北地方では、亀ヶ岡文化と呼ばれる文化が一大発展を遂げ、土器の文様・形は芸術の粋にまで高められている。この大文化を支えた背景として、東日本に豊富なサケ・マスの存在が考えられていたが、近年では東北・渡島半島の遺跡から農耕の存在を思わせる栽培種としてのソバ属の発見がある。東北・渡島半島の亀ヶ岡文化の発展は、サケ・マスの他にソバなどに代表される原始的な農耕もおおいに寄与していたのであろうか。