晩期も後期にひきつづき、土器・石器の道具以外に装身具など多くの遺物が発見されている。
T四六六遺跡では、硅岩製の装身具が一点出土している。長さ約一二センチメートル、幅五センチメートル、厚さ八ミリメートルで周囲にほぼ対称に八個の突出部を作り出し、五個の穴があけられている(図23-20)。この種の装身具は道内の他の晩期の遺跡からも時々発見されている。T四六六遺跡は墳墓遺跡であることから、副葬品として埋葬されていたものであろう。
市内の晩期には、墓の項でも述べたようにあまり大きな遺跡が発見されていないため、土器・石器以外の遺物は、見るべきものが少ない。墓壙への副葬品以外の出土遺物としては、土偶が著しく発達する。
人工遺物以外の、種子、魚骨、獣骨などは後期とほぼ同様である。