以上紹介してきた札幌市内の遺跡群は、後述する擦文時代の時期区分に従って分けると、早期の例はN一六二遺跡の土壙、北区K一三五遺跡四丁目地点第Ⅰ層、豊平区T四六五遺跡発掘区など出土の土器がある程度であるが、前期になるとK四四六、K四六〇、サクシュコトニ川、N一六二遺跡など、竪穴住居跡を伴う集落遺跡が数多く確認されている。同中期になると、その前半期の例としてはK四四六遺跡第六号竪穴住居跡、K四六〇遺跡第Ⅰ文化層などが、同後半期になるとK四四一遺跡北三三条地点第一号竪穴住居跡を挙げ得るのみである。後期のものは、K三六遺跡第二号竪穴住居跡、K四四一遺跡北三四条地点などが確実な生活跡の資料である。晩期のものは、今のところ確実な例はみつかっていない。