この段階は、佐藤編年の擦文Ⅰに相当し、プレ擦文、擦文0とか北大Ⅲ式とも呼ばれ、続縄文時代の北大式の最終型式にふくめる立場もある。器種は、大型の甕形土器が主体をなし、それに小型の注口土器が伴う場合もある。甕形土器は、北大式の伝統である円形刺突文が口縁部にめぐるものが多く、また鋸歯状や交叉する細い沈線文がつけられたり、器面整形として箆(へら)みがきや刷毛目痕があるものもある。余市町天内山、共和村発足、白老町アヨロ(アヨロA)出土例と札幌市内ではN一六二遺跡第三、四類土器の一部を除く資料、K一三五遺跡四丁目地点Ⅷ、Ⅸ群土器、T四六五遺跡発掘区出土土器の一部などがこの仲間である。