三十一年二月、庁令で「簡易教育規程」が制定された。本規程は小学教育に関する普通の規程の実行がむずかしい、主として新開の村に期限を定めて行うもので、内容は出張教育と嘱託教育よりなる。出張教育は特別分教場を設けて月のうち一〇日以上教員を派遣して教育を行うものであるが、嘱託教育は町村居住の一私人に教育を委嘱するもので、道内では仏教の説教所を教場とし、その担任教師が教育を行う、文字通りの寺子屋式教育も多く行われた。現市域内でも、この時期村の中心から離れた地区に開拓集落が成立した時に、この制度が適用された場合があった。