これは、詩・俳句・和歌などを作ったり、絵画・音楽を鑑賞したり、あるいは狂言、踊、芝居、スポーツなどをして楽しむところの同好会である。趣味を同じくする仲間が、定期、不定期に集い、さまざまな形で文化活動を行っている。
明治二十年代の新聞広告などによれば、札幌では実に多くの書画・美術展覧会が開かれている。中央の有名な書道家、画家が札幌の旅館に滞在すると、近郷近在から同好者が集まり、秘蔵品の展示、揮毫、即売などが行われたようである。
一方、俳句、詩、和歌、踊、狂言、謡曲などの会合も実に盛んで、毎週あるいは毎月の定例会を持ち、生活のなかに根を深くおろしていた。このほか、遠乗り会、競馬会、端艇(ボート)会、柔術会等々のスポーツの会合も盛んになりつつあった。このうち競馬会は中島遊園地を会場とし、毎年六月十五、十六日、八月二、三日の二回定例として開催されていた(第六節参照)。