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琴似村の社会構成

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 明治三十六年に北海道農会では「町村ノ発達」を図る目的で、「天然ノ要素、経済上諸般ノ経営、民俗習慣ニ至ル迄確実ノ調査」を実施し、翌三十七年に『北海道石狩国札幌郡琴似発寒村是調査』を刊行した。当時の両村を合わせた現住戸数は六一〇戸、現住人口は三三一八人であった。現住者の職業戸数をみると兼業が加算されるので七四四戸となるが、そのうち農業が五六五戸(専業四三八戸、兼業一二七戸)であり七割五分を占めていた。そのほかでは工業三七戸(専業一〇戸、兼業二七戸)、商業一八戸(専業三戸、兼業一五戸)、雑業一二四戸(専業二八戸、兼業九六戸)となっているがいずれも兼業者が多い。兼業の大部分は農業とみられ、両村は純農村の形態を取っていたと判断できる。
 農家戸数は五六三戸(先と二戸相違する)であったが、耕作面積からみると約七割が四町歩から一町歩までの小農であった。すなわち、四町歩~三町歩が七五戸(一三・六パーセント)、三町歩~二町歩一三五戸(二四・〇パーセント)、二町歩~一町歩一六八戸(二九・八パーセント)となっており、三町歩~一町歩で約五割をしめていた(合計五六五戸)。