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畑作・畜産の奨励

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 これに北海道開拓使の農業政策が付け加わる。食生活までも欧風化がめざされ、アメリカやヨーロッパから農作物の種子や畜種の導入が積極的に行われ、それに対応した食品加工工場の設置なども行われたから、政策的にも畑作振興が行われたといってよい。加工原料作物や陸軍への供給作物が多いのにも、政策的な影響をうかがうことができる。そうしたなかで、商品生産としての農業の発達も著しい。りんごやたまねぎなどの沿海州などへの輸出はその象徴である。都市近郊でありながら、それとは切り離された展開なのである。「都市の隣に田舎がある」というきわめて特殊な形態であるといえる。その典型が、初期にみられた牧場である。畑作と畜産というきわめて北海道的な展開は、むしろ北海道農業の先進地として位置づけられる姿なのである。