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本州商社の札幌進出

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 本州商社の北海道進出は戦後特にめざましく、本州の商品を売り、道産品を大量に買い付ける動きは活発であったが、進出する場所としては、行政都市札幌より海陸交通面から商業都市小樽を選ぶものが多かった(道新 昭23・2・16)。しかし札幌市民の購買力の高さと道産輸出品が不況下でも安定していることから、札幌に本州の総合商社が支店を開設する傾向が顕著になってきたのは、昭和二十七、八年以降のことである。日商岩井とトーメンは二十二年で別格としても、二十七年住友商事、二十八年三菱商事、三十年丸紅、三十二年伊藤忠商事、三十四年安宅産業と兼松江商、三十九年日綿実業など、十大商社が続けざまに支店を開設している。すでに二十七年夏ごろから主として消費財を扱う卸小売商店四〇社が小樽から移転していた(道新 昭28・7・17)が、この傾向は本州商社も同じで、最初小樽に支店や出張所を設置していたものを閉鎖・縮小して、新たに札幌支店を設置、あるいは強化したものもあった(北海道の企業 昭47)。