以上のように、札商と道商連の設立の経緯を中心にみてきたが、このほかにも次のような経済団体が設立されていた。
二十一年七月二十七日、北海道開発(株)社長である岩田彦二郎の提唱により、北海道経営者協会が創立された。「本会は労働関係の諸問題を調査研究し労資の安定確立を図り産業経済の興隆に寄与することを以て目的」(北海道経営者協会名簿 昭27)とし、初代会長には北海道配電(株)社長の山田良秀が就任した(北海道経営者協会50年の歩み)。事務所は南四条西四丁目の日本団体生命札幌出張所内に置かれ、二十四年北一条西二丁目の日本セメント札幌出張所、二十七年六月には北海道産業会館に移っている。
また道経営者協会は、二十七年六月北海道産業クラブを発足させている。本道産業の振興をはかるために、道内の鉱工業・農林・水産・土木・金融・商事等、各経済団体ならびに業界人を会員とし(道新 昭26・4・3)、市ならびに札商と協力して、二十六年八月から準備を進め(昭26事務)、道産業会館の完成とともに発足させた。
二十四年七月四日には北海道経済同友会が設立された。同会は「経済人としての職能的立場から日本経済の民主化ならびにその平和的再建に寄与し、併せて会員相互の啓発親睦を図ることを目的」とし、経済問題に関する調査・研究、経済諸政策に関する審議・立案、講演会・研究会、会報の発行等の事業を行った。会員は「本会の趣旨に賛同する北海道在住の進歩的な事業経営者、補助者または経済団体役職者」とされ、初代代表は北海道拓殖銀行頭取の広瀬経一が務めた(北海道経済同友会規約 平成13年度会員名簿)。
前年の四月には、「中央の経済同友会の如きもの」として、札幌、小樽、函館等の業種別代表者で構成される北海道経済懇話会が設立されているが(北海経済新聞 昭23・4・26)、北海道経済同友会との関連については明らかではない。
また、二十六年十二月十四日には、札幌・小樽両市ならびに近接地域の産業経済の振興をはかることを目的に、札樽経済協議会が発足している(三章参照)。同協議会は三十一年三月以降、北海道博覧会の準備にあたるために活動を一時中断したが、三十四年七月十八日再発足した(道新 昭34・7・15)。
このほか、二十七年八月二十日には大阪に北海道クラブが結成された。本道経済と関西経済の交流をはかることを目的に、関西の経済人三〇人が拓銀大阪支店で第一回会合を開いている(道新 昭27・8・23)。