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『さっぽろ経済』その他の発刊

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 二十七年六月、札商は『札幌商工名鑑』を発行した。序文には、講和条約によって我が国は経済の自主権を恢復したが、経済自立の基礎を固めるため、ひいては積極的に商圏を拡大強化するための手がかりとして同書を編纂したとある。同書はその後、三十一年度版、三十三年版、三十六年版と発行された(さっぽろ経済 昭30・8・20、昭33・9・20、道新 昭36・2・2)。
 二十八年五月には機関誌『札幌経済』が創刊され、不定期ながらも継続して発行された。『札幌経済』は二十八年八月十五日発行分から『さっぽろ経済』と改称し、三十四年以降は商工業に関する実態調査・動向調査等の報告書が、資料編としてたびたび発行されている。創刊当初は市経済部商工課との共同編集であったが、三十六年七月発行の第五九号からは、札商単独で発行されるようになった。
 なお、『さっぽろ経済』が創刊される以前は、「商工会議所報(ママ)としてタブロイドの半分の大きさ、四頁の悲しきばかりのものを刊行していた」というが(さっぽろ経済 100号 昭41・10)、現在は『札幌商工会議所所報』第二号しか残されていない。第二号は二十二年八月五日に発行されていることから、所報が創刊されたのは二十二年と思われるが、いつまで発行されたかは不明である。
 また、三十年からは『北海道統計年報』が毎年刊行されるようになった。同年報については、北海道の産業や経済の実態を部門ごとに集大成したものは、それ以前にはなかったとして、高く評価された(池田善長 北海道経済の全貌を描く さっぽろ経済 昭32・12)。三十六年からは『札幌経済統計書』が毎年刊行されたが(さっぽろ経済 昭41・12)、四十六年からは『北海道統計年報』と『札幌経済統計書』を合併して『経済統計年報』と改称された。