このような金融経済の流れの中で、札幌の預貸状況等はどうであったかをみることにしよう。表17は札幌市内の預貸状況を、全国銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合の四業態でみたものである。

　圧倒的シェアを占める全国銀行でみると、預金は昭和三十年の四六六億円から三十九年の一九七一億円へと四・二倍に増加し、貸付金は四五三億円から一八二一億円へと四・〇倍に増加している。しかし、預金のシェアは八九・五パーセントから八〇・〇パーセントへ、貸付金のシェアは九〇・二パーセントから八〇・三パーセントにそれぞれ大きく下落し、その代わりに相互銀行、信用金庫、信用組合等の中小企業金融機関のシェアがそれぞれ順調に拡大していることが、この間の特徴となっている。
　また表18には、札幌市内全国銀行の預金と貸付金の全国に占める割合が示されている。すなわち同期間において、預金は一・三パーセントから一・一パーセントへ、貸付金は一・四パーセントから一・一パーセントへそれぞれ低下しているが、これは全国的な景気拡大と札幌または北海道のそれとの落差があらわれたものといえよう。

　表19は北海道と札幌の信用保証状況を示したものである。この一〇年間で北海道全体の保証申込件数は一万六一七〇件から四万九三五四件へと三・一倍に増加し、そのうち平均で九八・六パーセントが保証承諾されている。また金額では四〇億三〇〇〇万円から二一三億三〇〇〇万円へと五・三倍に増加し、そのうち平均で九六・一パーセントが保証承諾されている。札幌でも保証承諾件数で二八八二件から六二九六件へ二・二倍、金額で一二億九〇〇〇万円から四四億七〇〇〇万円へ三・五倍に増加したが、全道に占める割合は平均で保証承諾件数が一二・八パーセント、金額が二二・九パーセントであり、設立後六年間の平均値(それぞれ一五・一パーセント、二九・一パーセント)より若干低下している。