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農業振興対策資金融資制度

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 この制度は、札幌市農業振興対策資金貸付規則(昭34規則第20号)にもとづく事業であり、市費貸付金の預託運用による新しい農業金融制度として、昭和三十四年に発足した。「市内における農業金融の円滑化を図り、農業の振興発展並びに農業協同組合の経営の安定に寄与することを目的とするもの」(昭34事務)であり、具体的には、札幌市が毎年度資金を北海道信用農業協同組合連合会に預託し、北信連はその倍額を限度として農業協同組合、または農協を通じて農業者に貸付を行うというものであった。表65はこの事業の概要を示したものである。
表-65 農業振興対策資金貸付事業の推移(単位:千円)
年度預託額運用額貸付額農協別内訳
札幌市農協藻岩農協白石農協厚別農協北札幌農協篠路農協篠路玉葱農協琴似農協新琴似農協平岸農協豊平東部農協西豊平農協
昭347,00014,000
 3510,00020,000
 3620,0001,5002,1002,4002,3002,0002,4002,3002,8002,200
 3713,50027,00025,0942,6942,0002,8003,0002,5002,3002,5002,0002,8002,500
 3813,00026,00026,0003,0002,5003,0003,0003,0002,3002,5002,0003,0001,700
 3913,00026,00026,0003,0002,5003,0003,0003,0002,3002,5002,0003,0001,700
 4020,00040,00026,0003,5003,0004,0004,0002,5003,0003,0003,000
 4115,00030,00025,5003,5004,5004,0002,5003,0004,0004,000
 4215,00030,00015,0002,5002,5003,0002,5001,5002,500
 4315,00030,00030,0001,800(8,000)(7,000)6,000(3,000)6,000
備考[利率]市 年0.2% 北信連 年0.657% 農協 年0.857% 農業者
『札幌市事務概況』各年による。昭和43年の藻岩・白石・琴似は札幌市農協の支所である。

 ところで、『事務概況』には昭和三十七年から金融事業という項目が登場し、災害制度資金と農業近代化資金の導入について述べられている。これ以前、三十五年には農業改良資金が導入されているから、農業振興対策金融制度の創設と相俟って、札幌市の農業振興策の中で、金融事業が柱の一つとなったといえよう。