高齢者人口の急激な増大とその施策の実現が急がれる中、四十六年度における札幌市内の高齢者福祉施設には、養護老人ホームとして長生園(昭34設立 札幌市)、札幌慈啓会養護老人ホームの二施設が、また、特別養護老人ホームとして札幌慈啓会特別養護老人ホーム、特別養護老人ホーム神愛園の二施設が存在し、この他管外にも高齢者福祉施設が存在した。四十六年度期末各福祉事務所(中央、西、北、東、南)を通した被措置者数は、札幌市内外を含めて、養護老人ホーム四〇二人、特別養護老人ホーム一九四人、養護委託者六人の計六〇二人であった。
この他、老人家庭奉仕員の派遣世帯は、四十六年度期末現在、一般分は、家庭奉仕員数九人に対し、派遣対象世帯数は四四世帯であった。これに対し、ねたきり分は、家庭奉仕員数二八人に対し、派遣対象世帯数は一五二世帯にのぼった(厚生事業の概要 昭47)。これが、いわゆる現在の公的介護サービスの前身である。