札幌市は、無秩序な開発によって都市から緑が奪われることを防ぐために、昭和四十八年に札幌市緑化政策大綱、五十二年に緑化推進条例を策定していたが、五十七年に「札幌市緑の基本計画」を策定し、五十八年より札幌の街を緑ですっぽりと包む「環状夢のグリーンベルト構想」を実施に移した。六十一年には建設省の全国都市緑化フェアに申請し、北区の百合が原公園で「'86さっぽろ花と緑の博覧会」を開催した。
また札幌市は都心部、市街地の景観形成についての施策も推進した。五十六年六月に設置された札幌市都市景観委員会は、十二月に『札幌の都市景観を考える―その基本的提言―』を提出した。これにより常設の札幌市都市景観委員会が発足し、建築物や広告等のデザイン、色彩等について助言、指導を行うこととなった。六十三年三月二十四日、札幌市都市景観要綱を制定した。平成元年には大通や札幌駅前通を中心にした都心部の道路景観の形成を図る札幌都心部ロマネット計画を策定した(十七期小史)。
札幌市の産業構造は建設業と第三次産業に特化しており、産業構造の多様化と第三次産業の生産性向上が課題とされていた。六十年三月、市のスノートピア計画(高度情報都市計画)が郵政省のテレトピア構想の指定を受け、その柱の一つであったベンチャーランド建設が開始された(十七期小史)。これは六十一年十二月、札幌テクノパークとして完成し、六十三年には第二パーク、平成三年には真栄ハイテクヒルの分譲が開始された。