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時期区分

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 図3に主要経済指標のグラフを掲げている。卸売物価指数は、札幌商工会議所が昭和六十三年三月をもって調査を打ち切ったために時系列データが得られない。そこで、景気変動の影響を受けやすい指標として手形交換高に注目したい。札幌の手形交換高は、まず、四十五年から四十九年まで倍増し、五十年に表示期間で初めての前年割れをみせ、以後六十年まで四度(五十四年、五十八年、五十九年、六十年)前年割れの年がある。六十一年から平成二年まで順調に増加したが、三年に前年割れして以降、毎年前年割れを繰り返している。もっとも、第五章第一節にあるように、全銀システム(全国内国為替制度)取扱高が年々増加していることも影響しているだろう。

図-3 主要経済指標

 次に経済成長率を一覧表にした表6を検討しよう。ここでは、典拠資料の計算結果をそのまま掲載した。ここでいう経済成長率とは、国(道、市)内総支出の対前年伸び率のことである。名目、実質ともに札幌の成長率は全国の成長率を上回っている年がほとんどであった。とりわけ四十六~四十八年の高さは異常なほどである。しかし、その後は名目で五十七年から六十一年まで連続して全国を下回っており、実質の五十八年には北海道の成長率がマイナスに転じている。このころの札幌、北海道経済が全国と比べ低成長であった原因を究明する必要があろう。また、六十二年から平成三年までの時期の札幌の成長率の高さも注目できる。
表-6 経済成長率(単位:%)
 名目実質
札幌市北海道全国札幌市北海道全国
昭4613.210.19.65.0
 4722.916.414.29.1
 4833.321.011.95.1
 4913.318.6△2.5△0.5
 5013.210.06.64.0
 5114.613.412.45.95.53.8
 5213.312.911.04.95.44.5
 5314.28.69.78.94.55.4
 5412.38.78.07.35.65.1
 559.410.29.04.04.92.6
 567.34.66.24.12.03.0
 574.55.14.82.73.33.1
 583.71.14.53.3△0.52.5
 594.74.96.82.82.84.1
 605.86.66.33.63.54.1
 614.53.54.64.61.43.1
 626.45.14.86.35.44.8
 638.04.76.87.53.86.0
平 18.25.97.16.03.44.4
  29.16.58.05.83.45.5
  36.76.35.64.52.72.9
  43.32.51.91.50.60.4
  52.03.11.01.51.60.5
  62.11.90.42.11.70.6
  72.41.62.33.12.43.0
  83.32.23.04.02.84.4
  9△1.0△1.20.6△2.7△2.6△0.1
 10△1.2△0.7△2.0△1.2△1.0△1.9
札幌市『平成10年度札幌市民経済計算年報(平成12年度推計)』
北海道の原資料は北海道総合企画部経済企画室『平成10年度道民経済計算年報』、全国の原資料は内閣府『国民経済計算年報平成12年版』。
1 平成9年までは遡及改訂済みの数値。
2 「実質」は平成2暦年価格による。
3 「全国」は旧68SNAによる。
4 △はマイナス。

 さて、以上の図3、表6を手がかりとして、札幌の景気変動を時期区分すると、以下のようになるだろう。全国をはるかに上回る成長率を示し、手形交換高も急増した四十五年から四十八年を「景気過熱期」、十月の石油ショックを機に実質成長率がマイナスに転じる四十九年から名目成長率が全国を下回り手形交換高の連続前年割れを経た六十一年までを「低成長期」、成長率が跳ね上がり、手形交換高も連続して拡大した六十二年から平成二年までを「バブル経済期」、そして手形交換高の連続前年割れ、製造業出荷額の減少が続く三年以降を「平成不況期」とみなすことにする。