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醸造業・清涼飲料製造業

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 日本清酒(株)は、札幌市内では札幌清酒工場(中央区)、琴似味噌工場、琴似飲料水工場(西区発寒)が操業している。札幌清酒工場は、道内各地に立地する日本清酒工場のなかでも清酒製造部門の主力工場であり、昭和四十八年から丹頂蔵における生産増に対応して瓶詰工場、精米工場の更新(建て直し)が着手され、鉄筋コンクリート四階建の工場に生まれ変わった(日本清酒 日本清酒株式会社五十年史 昭53)。六十一年には紙パック詰め清酒製造のための充塡機、全自動麹生産システムを導入している(日本経済新聞社 北海道の中堅170社 平3)。札幌酒精(株)は、札幌市内では札幌工場(西区発寒)が操業している。市史5上でふれたように、アルコール度数二〇パーセント焼酎サッポロソフトの製造が増えていたが、四十三酒造年度に二五パーセント焼酎を追い抜き、以後も順調に増え続け、五十七酒造年度においては大部分が二〇パーセント焼酎となっている。また、五十六年に甲乙混和のサッポロハイソフトを、五十八年に乙類のさっぽろさとうきび焼酎を新たに発売している(札幌酒精工業(株) サッポロソフト五〇年史 昭59)。
 清涼飲料製造業では、北海道コカ・コーラボトリング(株)があり、札幌市内では清田工場が操業しており、日本コカ・コーラ株式会社よりコカ・コーラ、ファンタ、スプライト、ハイシーなどの原液を購入して、壜入・缶入製品を製造・販売している。表18に生産、販売の動向をまとめた。生産数量は、五十年代は横ばいで推移し、バブル経済期(昭六十三、平四)に増加している。バブル崩壊後は生産数量のデータが得られない。販売数量はほぼ似たような傾向をたどるが、常に生産数量を上回って推移している。これは、北海道コカ・コーラボトリング工場で生産したものに加えて他社から仕入れた商品を販売しているからである。販売数量は、バブル崩壊後には表示していない期間も含めて三四〇〇万ケースから三七〇〇万ケースで推移し、販売額も順調に伸び、平成八年は昭和四十七年の四・三倍に達している。
表-18 北海道コカ・コーラボトリングの生産、販売状況
昭4751555963平48
生産数量(千ケース)22,04521,77620,39321,16223,71329,037
稼働率(%)92.154.747.788.997.2108.4
販売数量(千ケース)24,45823,46223,91624,85526,71432,09436,715
販売額(百万円)17,40926,60433,99243,49557,75671,89475,105
<内訳>(単位:%)
コカ・コーラ40.835.730.219.510.8
ファンタ  31.820.814.46.43.8
壜入 スプライト 2.53.71.43.01.9
ハイシー  3.03.62.4
アクエリアス1.0
その他   4.12.8
コカ・コーラ9.112.216.217.314.4
ファンタ  14.910.511.68.05.5
スプライト 0.91.51.21.31.4
缶入 ハイシー  8.77.44.13.1
コーヒー  2.920.633.3
アクエリアス5.9
その他   1.37.73.10.5
シロップ2.24.49.0
インスタントコーヒー類1.01.92.9
その他3.72.71.1
合計100.0100.0100.0100.0100.0
北海道コカ・コーラボトリング『有価証券報告書』各期
1 壜にはペットボトルを含む。
2 昭62からコーヒーの数値は原資料では「コーヒー・ティー」

 内訳をみると、まず壜入コカ・コーラ、壜入・缶入ファンタが比率を減らしていること、缶入コーヒーが途中から登場し急激に比率を増やしていることが特徴である。販売額におけるコカ・コーラとコーヒーの逆転は昭和六十一年であった(道新 昭62・2・26)。壜入製品、缶入製品の割合についてみると当初圧倒的に壜が上回っていたが、年々比率が低下し、昭和五十七年に壜、缶の割合が逆転し、以後は缶が増え続けている。なお、近年普及が著しいペットボトルは壜に区分されている。これは、消費者が、壜で購入し空壜を返却するリターナブル方式よりも容器返却のないワンウェイ化を望む傾向のあらわれであった(北海道コカ・コーラボトリング 北の大地とともに 平1)。また、販売方式としては、自動販売機によるものが増加し、平成二年時点で全道約四万台であった(道新 平2・11・21)。