ビューア該当ページ

国有林の動向

334 ~ 335 / 1053ページ
 現在の札幌営林署は、札幌市の中心地に近い藻岩山山麓の閑静な住宅地区に位置している。管理区域は、札幌市・江別市・北広島市・石狩市・当別町・厚田村・新篠津村の四市一町二村にまたがり、管理面積は七万八二八八ヘクタールとなっている。従って、札幌市に限定して国有林の動向を述べることは困難である。ただ、札幌市内の郷土史に札幌営林署定山渓営林署が取り上げられるケースは決して少なくはない。そこで、以下には現在の札幌営林署に至るまでの管理経営組織の沿革を述べるにとどめ、経営と事業の変遷を含めて、戦後における札幌営林署の歴史については、北海道営林局『北海道営林局(直轄)五十年史』(平9)を参照していただきたい。
 札幌営林署は、明治四年五月に札幌に開拓使庁が設置され、その中で山林事務を行ったのがそもそもの始まりである。二十三年八月、北海道官有林のうち定山渓・厚田地区を御料林に編入して御料局札幌支庁、札幌出張所が設置されたが、これが旧御料地から来る札幌営林署の前身である。
 明治四十一年六月、道庁官制改正に伴い、北海道林政の中枢機関として拓殖部林務課の下に五営林区が設置されたが、このうちの一つである札幌営林区署が内務省所管の旧国有林から来る札幌営林署の前身である。当初札幌営林区所管下には四分署が置かれたが、以後管理機構および管轄区域について幾多の変遷の後、昭和三年六月に各営林分署が廃止されて各々営林区署と改称し、札幌営林区署は単独の営林区署となった。
 二十二年四月、林政統一によって御料林と内務庁所管国有林が北海道庁管下からともに農林省所管となり、名称も札幌営林署定山渓営林署と改称された。その後、六十三年三月に定山渓営林署札幌営林署に統合し、定山渓に営林事務所を設置して現在に至っている。