この間の政府系金融機関等の業況についてみると、まず
北海道東北開発公庫の出融資実績については前掲表6のとおりである。バブル崩壊後は、民間金融機関の破綻や貸し渋りに対応して公庫出融資対象業種を拡大したり、特別金利貸付制度を拡充するなど景気浮揚に向けた積極的な出融資活動の展開がみられる。しかしこの間、北海道においては苫小牧東部開発が平成九年十二月に、また東北においてはむつ小川原開発が十年十二月に実質的な経営破綻をきたして大問題となったので、ここでは苫小牧東部開発に関する公庫融資について触れることにする。昭和四十七年七月、第三セクター
苫小牧東部開発株式会社(苫東)が設立されたが(最終出資比率:公庫二五パーセント、北海道二〇パーセント、地元市町五・二五パーセント、民間四九・七五パーセント)、石油危機などで土地の分譲は計画どおりに進まず、また拓銀の破綻が苫東への協調融資体制を瓦解させたことも重なって、結局、苫東は一七八一億円の借入金残高(平成九年度末)を抱えて破綻に陥ったのである。苫東に対する公庫の融資状況をまとめると表16のようになる(
北海道東北開発公庫史)。なお
北海道東北開発公庫は、平成十一年十月、
日本開発銀行と統合して
日本政策投資銀行となった。
年度 | 融資額 | 償還額 | 融資残高 |
昭和47~51 | 224.0 | 1.6 | 222.4 |
52~56 | 344.0 | 140.7 | 425.7 |
57~61 | 273.5 | 169.2 | 530.0 |
62~平成3 | 256.0 | 56.8 | 729.2 |
平成 4~9 | 263.0 | 31.0 | 961.2 |
計 | 1360.5 | 399.3 | |
他の政府系金融機関などの業況については前掲表7に示す。なお国民金融公庫は十一年十月、環境衛生金融公庫と統合して国民生活金融公庫となっている。