先の表8によって、この間(昭和六十~平成十二年度)の北海道労働金庫預貸状況をみると、札幌の預金は八二五億円から次第に増えて平成二年度には一二九〇億円となったが、翌三年度にいったん大きく減少し、その後は増勢に転じて十二年度には一六一四億円となった。同様に札幌の融資金は六一二億円から三年間連続して減少したが、元年度から増勢に転じ、十二年度には二〇六九億円となっている。札幌の預貸率は平成四年度以降オーバーローン状況が高まっており、全道で集めた資金を札幌で運用するという傾向がますます強くなっている。なお五〇パーセント台にまで落ち込んでいた預貸率を大幅に改善させたのは、自動車購入資金を融資するマイカーローンを発展させた低金利の「轟ローン」(平成二年三月から販売)の開発成功によるものである(北海道労働金庫50年史)。