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情報化・効率化への取り組み

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 昭和四十年代中ごろから、卸売業の企業にコンピュータが導入され、業務の効率化への取り組みが始まった。医療品のモロオでは四十二年全国で三番目に(道新 平11・5・19)、日用雑貨のダイカでは昭和四十六年、菓子のナシオでも四十七年(道新 平9・12・3)といわれている。その後六十年ごろから、多くの卸売業の企業が本店と支店全てをオンライン化するとともに、受注から配送に至るまでに生じるロスを極力排除し、利益管理や商品管理、余剰在庫の圧縮によりコストダウンを実現した。このような流れは、パソコンの導入などによりさらに高度化し、またこれと並行して各企業は自ら大型物流・配送センターの建設をすすめ、単なる倉庫としてではなく、各支店とセンターをオンラインで直結して在庫量を把握するとともに、省力化や作業のスピードアップを図り、コンピュータの完全制御による配送システムを確立した。
 ところでコンピュータの導入で、「流通革命」の進展に直面する卸売業は新たな存在意義を確立することとなった。六〇年代前後から小売店が要求する「多品種・少量・多頻度配送」に対応し、また店頭の商品が売れるように商品情報分析を提供することで、卸売業が小売店やメーカーにとって単なる「商品の運び屋」ではなく新たな役割を果たすことになったためである。個々の企業の取り組みをみても、売り上げや予約、販売、発注、納品、財務などの管理、単品ごとの売れ行きの傾向などの商品情報分析など経営情報を総合的に管理できるシステムを日立製作所と提携して小売店むけに発売した北酒販、「情報武装化」(道新 昭60・6・5夕)をとなえ小売店が必要とする売れ筋などの情報を加工して伝え、メーカーにも需要動向を提供した玩具のヤマグチ、売れ筋商品、売場あたりの効率、収益を把握して「消費者心理との直結」を目指した菓子のナシオ、各地の拠点を拡大して薬をどの地域へも一時間以内に運ぶとともに、医療関連情報の提供も行ったホシ伊藤の動向などがそれである。また、特に食品業界では大手小売店側の卸し絞りこみの傾向があり、業者のなかにはコンビニエンスストアや大手スーパーとの提携のほかに地域の小売店にも営業支援をし、店づくりや売場づくり、さらには店舗ごとに売れ筋をきめ細かく選別し陳列棚に効果的に配置する棚割りなどにまで踏み込んだ提案をするものも登場した。一方食品の丸市岡田のように卸売業者自体が「ネットスーパー」を立ち上げ、ホームページで注文を受け即日配達する試みもある。