このため、平成三年道婦人相談所では、開設から三五年目を迎えていたが、性非行に走る未成年者の保護があとを絶たない状況であった。一八歳未満の未成年者は児童相談所に保護されるのが一般であるが、一旦性非行に走って保護者の手に負えなくなったりして長期保護されるケースが増加傾向にあった。この頃から「援助交際」といった少女「買春」、また家出少女や女子高校生目当ての「テレクラ」買春の横行は全道的に少なくなかった。お金欲しさのためにいとも簡単に性非行に走る未成年者が道婦人相談所の保護対象になったのも特徴である。九年十一月十一日の日本PTA全国協議会(本部・東京)がまとめた資料によれば、「子供の社会環境調査」で、中学三年女子の一二五人に一人が援助交際を経験している、といったことが分かった(道新 平9・11・12)。また、十年中には、札幌市の女子中学生の援助交際仲介事件が発覚し、「テレクラ」を利用した売春行為などで小学生二人を含む八一人が補導された、といった驚くべき数字が示され、補導人数が年々増加、低年齢化が進んでいることが分かった(道新 平11・2・21)。罪の意識の希薄さが深刻な問題であった。